今夜、お別れします。
浮気相手と対峙します。



千歌ちゃんと桐谷とのキスシーンは、あれから数日たっても頭の中から消えてくれなかった。

あのキスの後、2人がどうなったのかは知らない。

あの場から逃げ出したのは私だ。

悔しかったら乗り込めばよかったんだ。

「桐谷は私の彼だから!」と宣言すればよかったんだ。

こんな風に後悔するくらいなら。


でも、秘密にしようと言われた私が桐谷を前にしてそんなことを言えるはずもないけど。


なんにせよ、狡い私は桐谷を責めるだけで自分は何もせず逃げ続けている。


桐谷の気持ちを確認することもせず。


でも今それをしたら、きっと私達は終わる。


桐谷が千歌ちゃんを選んで、それで終わり。


あっけない。


浮気されて、振られて、それで私達の1年間が終わるのならば、それならば一度位桐谷にも私と同じように、たとえそれが引っ掻き傷程度でもつけてから終わりにしたい。


そんな風にも思ってしまったなんて、私は相当病んでる。


病んで、冷静な判断ができなくなっていたから、なんて言い訳にしかならないけれど、田丸さんに誘われたのはそんな時だった。








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