私の遠回り~会えなかった時間~
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あまり気が進まない外勤の日は直ぐにやってくる。

週末に美容院に行って、この受付業務の事を彬さんに愚痴ってしまった。

彬さんは思いきり不機嫌そうな顔をしながら聞いていた。

やっぱりこんな事を彬さんに話すんじゃなかったと後悔している私に、彬さんはこう最後に締めくくった。

「隠されているよりずっと良い。それに知紗がどれだけその木本という奴の事を憂鬱に思っているのかが分かった。少々心配だが、仕事なら仕方ない。とにかく気を抜くなよ。」

そして優しくキスしてくれた。

ちょっと問題がずれてしまったような気もしたけれど。

最近は土曜日の夜に彬さんの美容院で泊まる事が多くなったけれど、まだ私達はそういう関係にはなっていない。

1階の和室で寄り添って寝るが、私は彬さんのその大きな腕の中に包まれて眠る。

私からはあえてその事には触れなかった。

自分の中ではもう少し時間が欲しかったから。

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