ねぇ先輩、名前をよんで。
水族館
テストが終わり、
私はワクワクしながら屋上までの階段を登った。
今回勝負する科目は
私が一番得意な科目、数学。
先輩が選んでいいと言ってくれたから
勉強すれば点を取れるものにした。
楽しみだ。
テスト勉強を一生懸命頑張ったお陰か
いつもよりいい点数が取れた。
これならもしかしたら、勝負に勝てるかもしれない。
屋上のドアを開けると、
先輩がいつものように空を眺めていた。
「先輩っ!」
「ゆうちゃん」
振り返った先輩の手にもテストの答案用紙がある。
「ふふ、元気に走って来たってことはいい点取れたんだ?」
「はい、頑張りましたよ」
「俺も負けないくらい頑張ったよ」
勝ちたい。
勝って先輩にお願いをしたい。
「じゃあさっそく見せようか」