1年で1番嫌なお盆の時期が来た。

この日はお母さんと一緒にお墓参りをして、そのまま平塚のアパートに行く。

そして『詩織』の話をさんざん聞かされて帰るのだ。

ナオは積まれた仕事が片付かず、お盆返上で仕事をしている。

仕事をしているナオには申し訳ないけど、正直ホッとしている。

直接お母さんに会って、またナオに電話の時のような話をされたら…私もナオも参ってしまう。

そして、お盆返上ということは、私もナオのご実家にご挨拶に行かなくていいということだ。

いずれは行くんだろうけど、とりあえずは免れてホッとしている。

今度ナオに相談して、マナー講習を受けられるようにしてもらおう。

まずはそれからだ。


今日は猛暑日に近い真夏日だとテレビで天気予報のお姉さんが言っていた。

1℃や2℃の差なんてどちらでもいい。とにかく暑いことには変わりない。

お母さんとは最寄り駅で待ち合わせをして、タクシーで高台の手前まで行った。

お母さんはもう石段を上るのがきついらしい。

時々立ち止まって腰をトントンと叩き、バランスを崩しそうになりながら歩き進む。

私は、花と水を持ってそれを後ろから見ながら、この人も歳をとっていくのだ、と当たり前のことを思った。

15年経っている。お母さんの中の時間は止まっているのに、身体は15年分衰えている。

そういえば、白髪もずいぶん増えたな。

年に1,2度しかまともに会わないから、そんなことすら私にとっては発見で、少し切なくなる。



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