溺愛ラブ・マリッジ～冷徹上司が豹変しました～

「売り上げの締め切りは昨日だ。
そしてこの伝票は昨日までに処理されてないければいけない伝票だ」

「……はい」

わかってる、それくらい。
そんなことは石川さんに言って欲しい。

――とか言えたらすっきりするんだろうな。

「なのにどうして、今日になって出してきた？」

またしても氷柱のように冷たく尖った視線を君嶋課長は私に突き刺してくる。

「……わかりません」

いくら私に冷たい視線を突き刺し、凍り付かせようと、わからないものは答えられない。

「石川は知っているのか」

「石川さんは……」

口を開くと、斜め後方から凄まじいプレッシャーを感じた。
振り返らなくてもわかる。
私がしゃべらないように石川さんが睨んでいるのだと。