獣な次期国王はウブな新妻を溺愛する
第十章 永劫不変の愛を君に


気がつけばアメリは、真っ暗な空間に一人佇んでいた。


傷口は癒え、体中の傷みも消えている。


「……ここは、どこ?」


必至に辺りを見回したが、どこまでも果てのない闇が続いているだけだった。


怖くなったアメリは、闇雲に歩き出す。


「カイル様……」





真っ暗な空間は、いつまでも消える気配がなかった。


延々と続く闇の中を歩き続けていると、光がどういうものだったかすら忘れてしまいそうだ。


不安で孤独で、アメリは自分の存在そのものすら闇なのではないかと心配になる。




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