暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】

自分の力と議論








_______陛下の戻った執務室にて。



食事を終わらせられたと知らせを受けたファン宰相は、早速執務室へ足を運んでいた。


「先程まで、お前の連れてきた女と食事をしていたそうだな」


「食事をしても、あやつからは何の感情も読めん。普通の女なら、ある程度は分かるのだがな。全く難しい女だ」


陛下は呆れたようにそう言った。


客人の女達は分かりやすいようにアピールをしてくるものだから、女が皆そのようなものだと思っていたようだ。


「どこであの女を引っ掛けたのか?お前ながら珍しいというか……………女には興味ないとばかり思っていた」


「興味ない訳ではない。ピンとするような女がいないだけだ。………しかも皆、甘い顔で地位を狙い近寄ってくるただの雌に過ぎん」


陛下が思い出すのは今までに甘い顔して近づく、他国の姫や貴族ばかり。


皆が空いた正妃の座が欲しくて近づいていると思うと吐き気がする。



それに変わってあの女はどうだろう。


不思議と発情する雌には見えん気がする。



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