惚れ薬
占い
良く晴れた日の午後。


学校が終わって1人で歩いて帰路へ付いていた頃、そのお店が見えて来た。


《占いの館》と書かれた大きな看板に、白いプレハブ小屋のような小さな建物。


昨日まで空地だったその場所に見えた建物に、あたしの足は自然と止まっていた。


「こんな所に占いの店なんてあったっけ?」


確か、今朝ここを歩いた時にはまだなにも建っていなかったハズだ。


あたしが学校へ行って戻ってくるまでの間に、できたらしい。


「本物のプレハブ小屋だ」


そっと近づいて建物を確認したあたしは、そう呟いた。


短期間でできる建物なのだから、そんなもんだろう。


入り口には藍色の暖簾がかけられていて、風で揺れている。


その前には料理店のメニューのような看板が出ていて《初回無料!》という文字が躍っていた。
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