惚れ薬
夢の中
結局惚れ薬を持って帰ってしまった。


あたしは自分のベッドに横になり、小瓶を電気にかざしてみた。


中の液体が揺れてピンク色の海を見ているような気分になる。


こうして見ているだけでもすごく綺麗だ。


これを相手に一滴飲ませれば相手はあたしのことを好きになる……。


「馬鹿らしい」


そう呟いて、小瓶をテーブルの上に置いた。


そのタイミングで、テーブルに置いていたスマホが震えた。


《雑貨屋ならあたしも見たよ! アロマって興味ないから入らなかったけど》


それは初美からの返信だった。


あのお店を見たかどうか確認していたのだ。


《そっか。実はあの雑貨屋で変なもの貰ったんだよね》


《変な物?》
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