ジンクス
昼休み
今朝の出来事から健と話すタイミングはないままだった。


あたしはチラチラと健の方を気にしながら、自分の席でお弁当を広げた。


それを見た杏と花梨はニヤニヤとほほ笑んでいる。


「今日のお弁当はやけに気合が入ってるね。どうしたの?」


そう言う花梨をあたしは無言で睨み付けた。


あたしが頑張った理由なんて、2人が一番よく知っている。


「ナツミのお弁当すっごく美味しそう! これ、ナツミの手作りでしょ!?」


大きな声でそう言ったのは杏だった。


あたしはその声量に目を丸くした。
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