#初恋_ハツコイ_

幼馴染。

その日はクラス発表と体育館入場だけだったので、お昼前に下校になった。


夏沙を誘って一緒に帰ろうかな。

『夏沙、一緒に帰れる?』


「…あ、ごめん、ちょっと会わないといけない人がおって…」


夏沙は申し訳なさそうにまた謝って、階段を降りていった。
一緒に帰りたかったけど…しょうがないよね。












「お、和泉じゃん」








上靴の音と、聞き覚えのある声に振り向くと。


少し背の高くなった幼馴染、永山 優希(ナガヤマ ユウキ)がいた。


何故かそれに少し嬉しい気持ちになった自分がいる。


『永山か、、久しぶり。同じクラス…だよね』


「うん。お前今から帰るの?」


永山は前髪(?)を少しいじりながら、何故か照れくさそうに言う。


「あー、うん。なっちゃんと帰ろうとしてたんだけど会う人がいるみたいで」


「…あの…、なら一緒に帰るか?せっかくだし」


その言葉にまた少し、私はドキリとした。

なんでだろう、、今日は気分が浮かれてるからかな。
そう思って、頷いた。


『あ、うん、そうだね、行こ』



彼は「ん、」と一言呟き、少し笑って私の2、3歩先を歩き始めた。

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