私の失恋の行き着く先は…No.3
エピローグ
「まさか、律華が結婚とはね~」
「まだ、してませんよ」
またしても朝イチで蓉子さんに捕まってしまった。
「結婚詐欺に遭ったとかって面白い話してたのがついこの前なのに」
「未遂です!」
私はムキになって否定した。
「人生なにが起こるかわからないものね~」
蓉子さんにしみじみ言われると、なんだか恥ずかしくなってきた。
あれから私と西条先生は結婚を前提にお付き合いをスタートした。
私の左手薬指には婚約指輪が嵌められている。
「あ、そうそう。これ、あげる」
「なんですか?」
蓉子さんから手渡されたのは紙袋。
「じゃあね」
蓉子さんは何も言わず、去っていった。
不思議に思いながら、紙袋の中身を確認する。