エリート上司の甘く危険な独占欲
「華奈。早くこうしたかった」

 直後、唇をキスで塞がれた。貪るように口づけられ、華奈の手からハンドバッグが落ちた。熱く柔らかな唇が頬に、耳たぶに、首筋にキスの雨を降らせて、華奈の思考をとろけさせる。

「華奈」

 颯真が華奈を廊下の壁に押しつけた。舌を絡ませ合う濃密なキスに、体も心も溶けて混じり合っていきそうだ。

「颯真さん」

 激しく溺れそうなキスの合間に、彼の名前を呼んだ。

 彼との関係はなにもかもが急だったけれど、そのことにためらいを感じる以上に、彼に惹かれ、彼を求めてしまう気持ちが強かった。 

 一晩で終わりだと思っていたのに、二晩の関係になった。もしかして彼との関係に先があるのかも……。そんな期待が脳裏をかすめる。けれど、それはほんの一瞬で、華奈はすぐに颯真の熱情に溺れていった。
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