夕食は個室のお食事処で、飛騨牛と旬の食材をふんだんに使った会席料理を堪能。

お酒も入り気分のいい時間を過ごしていると、総一朗さんがおもむろに話し出す。

「親父には今週末に話があると伝えてある。もちろん内容は、俺と紗子のことだ。週刊誌やワイドショーに出たからな、向こうは大船に乗ったつもりでいるだろうがそうはいかない」

お猪口に入っている日本酒をグイッと飲み干すと、息も荒げにお猪口を座卓に置く。

「おいおい総一朗。お前今からそんな息巻いていると、当日やられるぞ」

「ほっとけ。そんなことより洋匡、お前の方は大丈夫なんだろうな?」

総一朗さんにそう振られると、洋匡さんは首裏を撫でながら紗子さんを見た。

「まあな、覚悟は出来てるよ。でも紗子には悪いが、天花寺先生はうちの会長よりもタチが悪い。今は気に入られていても、紗子の結婚相手となれば話は別だろう」

「だろうな」

私以外の三人が、同時に溜息をつく。

「それにしても、和花ちゃんはよく食べるね。俺は君のことが一番心配だよ」

突然話が私に振られ、ぽかんと口を開けたままお造りを食べようとしていた手を止めた。

「私ですか?」

洋匡さんの言っていることの意味がわからず、持っていた箸を置くと彼を見入る。