「一条さん、この前の会議の文書作成は終わってる?」

「はい、こちらに準備できています。営業に届けましょうか?」

「悪い、そうしてもらえると助かる」

両手を合わせている室長補佐の荒川さんに「大丈夫です」と声を掛けると、そのまま秘書室を出た。



会長に総一朗さんとの付き合いと結婚を許されたのを境に秘書課に戻った私は、洋匡さんや秘書課の先輩たちに鍛えられ充実した秘書生活を送っている。

総一朗さんは総一朗さんで新規顧客開拓に率先して取り組んでいて、以前にも増して忙しい日々を過ごしていた。

そんな中でもお互い時間を見つけては、結婚式の準備も着々と進めている。

女の私より総一朗さんのほうが結婚式に対する意識が高く、普通の挙式でいいと思っている私と衝突することも度々。

「和花との結婚式だ、最高のものにしたい」

いつも最終的には総一朗さんの甘い言葉にほだされてしまい、首を縦に振ってしまうハメに。