総一朗さんと過ごしたフレンチレストランでの食事は、まるで夢の世界。日本の食材をふんだんに使ったフランス料理は、どれも食べたこともなければ見たこともなくて驚くばかり。

見兼ねた総一朗さんがいろいろ説明してくれているけれど、カタカナ言葉が多すぎて全く理解できなかった。それを誤魔化すように飲んだワインが美味しくて、ついつい飲みすぎてしまった私は、デザートが出された後の記憶がない。

 * * *

窓から入ってくる朝の爽やかな風が、真っ白なレースカーテンを揺らす。

私はその風の知らせで目を覚ますと、隣には愛しい彼の寝顔。寝息を立ててグッスリ眠っている彼を起こすのは忍びないが、つい悪戯心が出てしまい彼の頬を指でついてしまう。

「う……ううん……」

彼は目を覚ますが、まだ寝ぼけまなこ。私の顔をじっと見つめると、やっと気づいたのか私の頬に手を伸ばす。

「おはよう、和花」

彼は柔らかな笑みとともに、甘いキスをくれる。

それはまるで映画のワンシーンのようで、私の胸は高鳴っていった──

 * * *


大好きな彼と初めて迎える朝は、爽やかで甘い物だと勝手に妄想していた私は、今直面しているリアルな現実を目の当たりにして言葉を失っていた。