その反面、彼が私を大切に扱ってくれている気持ちも伝わってきて、その気持ちに応えたい、私も総一朗さんを愛したい。私の中の何かが、グッと背中を押した。

「無理なんて、してないです。私も総一朗さんと、同じ気持ちだから」

自分から総一朗さんの背中に手を回し、力いっぱい抱きしめる。力を入れすぎてしまい総一朗さんは「うっ」と一瞬声を上げたが、すぐに抱きしめ返してくれた。

「ったく、お前だけだよ俺を弄ぶのは。同じ気持ちっていうのはこういうことだってこと、わかって言ってるのか?」

「わかってるに決まってる……」

でしょ。何度も子供扱いしないで下さい──そう言おうとした唇は、総一朗さんの熱い唇で塞がれる。

軽く触れた唇は一度離れると角度を変えて重なり、同時に舌が入れられて口腔内をさまよう。絡め取られた舌、どんどん深くなっていく口づけに、次第に息が苦しくなって頭の中は何も考えられないくらい真っ白だ。

「今更これ以上はダメとか言っても、もう止められないぞ。本当にいいのか?」

ほんの僅かに唇を離すと、至近距離でニヤリと不敵な笑みを見せる。

私にノーと言う権利なんてないのをわかっていて「いいのか?」と聞くなんて、悪魔にも程がある。でもそれが総一朗さんの優しさでもあることを知っている私は、素直に頷いた。