俺の嫁になれ~一途な御曹司の強すぎる独占愛~
1、初めて彼の家にお邪魔します
「黒崎君、おはよう!今日もカッコイイね」
いつものようにとびきりの笑顔で挨拶するが、彼は慣れた様子で「はい、はい」と軽くあしらうと、エレベーターに乗り込んだ。
私もすかさず彼の後ろにピタリとついていく。
始業十分前のエレベーターは激混み状態。
でも、これは私にとって美味しいシチュエーション。
だって、文句を言われずに黒崎君にくっつくことが出来るんだもん。
彼は黒崎直人。
百八十二センチの長身に、黒髪マッシュで、切れ長二重に彫りの深い端整な顔立ち。
私が勤務している黒崎不動産の御曹司だ。
有能で二十五歳にして営業部の課長。
噂では常務のポストにつくはずだったが、本人が平社員から始めたいと希望したとか。
彼のお兄さんは専務だけど、経営の才はないらしく、次男の彼が将来社長の座に就くらしい。
周囲の女子社員は玉の輿を狙って彼にアプローチしているが、私は違う。
お金とか地位とか関係なしに黒崎君が好きなのだ。
非の打ち所のないその顔とクールで素っ気ない性格にハートを鷲掴みにされている。
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