俺の嫁になれ~一途な御曹司の強すぎる独占愛~
2、警戒心ゼロの女ー直人side
コトンとテレビのリモコンがカーペットの上に落ちた。
それを拾い上げながら横にいる桜井に目を向ける。
「桜井?」
「うん、起きてる」
返事はするものの彼女の目は閉じられたまま。
「桜井、寝てる?」
もう一度声をかけるが、今度は反応が遅かった。
「……ん?起きてます」
これは数分後には完全に寝るな。
しばし桜井を観察していると、静かな寝息が聞こえてきた。
彼女を呼んだ自分が言うのも何だが、男の家に来てこんな無防備でいいのだろうか?
なぜ桜井をうちに連れて来たのだろう。
自分でもよくわからない。
そのまま直帰して家に戻れば良かったのに、何となくまだ誰かがオフィスに残っている予感がしたのだ。
いや……誰かじゃない。
桜井が残っていると直感した。
本当はファイルを取りに戻ったんじゃない。
なくても何ら支障なかったが、それを自分の言い訳にしたんだ。
案の定、彼女がひとり残っていて、戻って来て良かったと思った。
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