隣の席の魔法使い。
夏祭り。





勉強合宿が終わり本格的に夏休みがやってきた。

そしてそれと同時に青葉くんの入院生活も始まった。


が、毎日会いに行っている青葉くんはそれを感じさせないほど元気だった。



「腕、大分綺麗になったな」



いつものようにお見舞いに来ていた私の腕を見てベッドに腰掛けている青葉くんが満足そうに笑う。



「おかげさまで」



そんな青葉くんに私は半袖から見える腕を差し出すように見せた。


魔法がバレた頃は私の腕は文字通り傷だらけだったが、今は一切魔法を使っていないので腕に傷ができることはなく、今までの傷も治り、腕を出せる服装になれるほど綺麗な腕になっていた。



「今までこんなことなかったから少し変な感じなんだけどね」



おかしそうに、そして何よりも何だか恥ずかしくって変な笑顔を浮かべてしまう。

効果音を付けるなら〝ニタァ〟ではないだろうか。


前までは青葉くんのいない所でこっそり怒られるとわかっていながらも魔法を使っていたが今では絶対にそんなことしない。

青葉くんが望んでいないことはもう絶対にしないと決めたから。







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