私の失恋の行き着く先は…No.6


「でも、この前会社出たところで電話してるのが聞こえたんだけど、おそらくあれは男だな」

「やっぱり彼氏持ちか~」

「ただ、すげぇ悲しそうな顔してたのが印象に残ってるな~。あの様子じゃ上手くいってなさそうだな~」

「社会人に成り立ての頃っていろいろあったな~」

「おっ!経験者っぽい発言だな!」

彼らの話題は若かりし頃の恋愛話に変わった。

コーヒー片手に自分のデスクに戻る。

山積みの書類やファイルは今にも崩れそうだ。

仕事に煮詰まって休憩室に向かったのに、更に気分が滅入った気がする。

麻田に彼氏がいることは知っている。

デートは当日ドタキャンされ、上手くいっていないことも知っている。

< 22 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop