2番目に君を、愛してる。
第4章 最高で最悪な休日

新藤さんと出逢って、もう半年が経とうとしている。


家事の分担も明確になり、新藤さんの下着を洗濯することにも慣れて最初のような照れ臭さは感じなくなった。

新藤さん用のスペースとして貸し与えた引き出しも、もう3段目も埋まりつつあるようだ。


毎晩遅くまで勉強し、送り迎えの車の中では新藤さんが口頭で出題する問題に答えるなど確実に知識を積み重ねていった。

その結果、なんと定期試験の結果は学年10位という最高のものだった。



「なっちゃん、そんなに持って行くの?」


天気予報を見ながら荷造りを進める私を見下ろして新藤さんは苦笑していた。

ボストンバッグから荷物が溢れている。


「上手くファスナーが閉じなくて!」


「入れすぎだよ…降水確率10%なんだし、折りたたみ傘は置いていったら?」


「万が一って場合もありますし!」


「降ったら現地で調達しよう」


「お金の無駄です」


頰が緩むことを止められない。
だって、明日はいよいよ新藤さんと遠出をする日なのだ。


定期試験10位に入ったご褒美に。



「新藤さんこそ、荷物それだけですか?」


小さいショルダーバッグでは何も入らないだろう。


「これだけだよ」


「忘れ物ないですか?」


「明日、なっちゃんが荷物を抱えることに精一杯で俺を忘れていかないかが心配だよ」


「なに言ってるんですか!」


新藤さんは笑ってファスナーを閉めてくれた。

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