お見合いから始まる恋→結婚
4
「ダ…、ダメ、ねっ、尚登さん…。」

「初めてじゃないだろう?」

確かに…。

私は顔に力が入る。

「こういう誤解は早目に解いておいた方が良い。」

「玄関の前で何をしているのよ。」

ここは私の家の前。

尚登さんに家の前まで送ってもらって、そのまま別れると思いきや…。

尚登さんは両親に挨拶をすると言い出した。

押し問答をしているうちに、お母さんが出て来てしまったのだ。

「初めまして。今日から陶子さんとお付き合いをさせて頂いております原尚登と申します。」

心の準備が出来ていない上に、両親の許可も取っていない私は、今日は無理だと尚登さんに説明していたのだ。

「そういう事なら何の問題もないじゃない。そんなところでもめていないで、さっさと中に入ってらっしゃいよ。」

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