*  *  *

――私たち、離婚しませんか?

 詩織に早く会いたくて、仕事を早く切り上げて彼女のいるチャペルへと急いだ。

 一分一秒でも早く会いたいなんて、どれだけ詩織にのめり込んでいるんだろう。我ながら呆れてしまう。

 胸を弾ませながら、彼女の仕事が終わるのを待っていたというのに、会うなりそんなことを言われて、あまりの衝撃に言葉を失った。

「ごめんなさい……」

 俯く彼女に謝られて、何か言わないといけないと焦る。

「どうしたんだ? 何かあった?」
「いいえ、何もありません」

 何もないわけなんてない。きっと何か不満に思うことがあったから、そんなことを言い出したに決まっている。
 しかし今この状況で無理に聞き出しても事態が好転するとも思えないような重い雰囲気だ。