Some Day ~夢に向かって~
伝えたいこと
翌朝、私は目が覚めると、すぐに携帯を確認した。


(やっぱり来てないか・・・。)


みんながまとまって、動き始めた昨日。私は塾があるから、一足先に学校を出たけど、嬉しくて、足取りも軽く、ペダルをこぎ始めた。でもその一方で、私の心はすっきりしない。


(先輩・・・。)


私の早とちりで、先輩を傷つけてしまった。早く会って謝りたいのに、会えないなんて、もどかしすぎる。でも、学校に来られないくらいの熱が出てるんだもんね、心配だな・・・。


塾に着いたけど、当然先輩は来てない。私は携帯を取り出した。


『先輩、昨日はごめんなさい。熱は下がりましたか?心配です。早く良くなって下さい。学校で待ってます。』


そう打つと、ちょっとためらったけど、送信ボタンを押した。


(これでよし。)


私は気持ちを切り替えて、教室に入った。


でも、先輩からの返信は結局なかった。


メ-ルに気づかない程、体調が悪いのか、それとも無視されてるのか、ここらへんがLINEじゃないから、もどかしい。


(今日は来てくれるといいな。)


私はベッドから起き上がった。


学校に着いた私は、すぐに沖田くんに声を掛けた。昨日の夜、先輩の様子を見に行くって言ってたから。でも


「寝てて会えなかった。先輩のお母さんによると、まだあんまり熱がひいてないらしい。たぶん、今日も無理だろうって。」


「そっか・・・。」


その言葉の通り、チャイムが鳴っても、先輩は現れなかった。


重い気持ちのまま、始まった1日。そして更にあんなことが起きるなんて・・・。
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