幼馴染みと、恋とか愛とか
やっぱりどうかしてるんじゃない!?
紫苑のオフィスで働きだして三週間以上が過ぎた。

最近は秘書の仕事にも大分慣れ、紫苑のスケジュール管理も任せて貰えるようにはなったんだけど__。


(なんて言うか、何よこの殺人的なスケジュールの多さは)


ビッシリと色の付いたスケジュール表を見てると気分が悪くなる。
間間で色のない部分もあるんだけど、それがほんの数十分というのは如何なものか。



「紫苑って、ちゃんと食事摂れてるの?」


相変わらず二人きりの時は社長と呼ばない日々が続いてた。
私がスケジュールを組みながら訊ねると、パソコンに向かう紫苑は「んー?」と鼻で返事する。


「会食の日以外はお昼にも予定が入ってるし、いつも夜中まで仕事してるでしょ。一体いつ食事してるの?」


ちゃんと眠ってるのかも気になりだして、体調は大丈夫?と心配した。


「秘書らしいこと聞いてくるな」


紫苑はディスプレーを見つめたまま言い返し、こっちはそれにムッとした。


「茶化さないでちゃんと答えてよ。ご飯は食べてるの!?」


「答えないとおばさんに訊くよ!?」と脅すと、ようやく目線が上がる。


< 72 / 221 >

この作品をシェア

pagetop