幼馴染みと、恋とか愛とか
どうしたいんだ…
萌音が出て行った後のドアを見つめ、自分でもさすがに溜息を吐く。

この頃俺はどうかしている。
あの萌音に「俺の女になれば?」なんて、どうして言ってしまったんだろう。


「これのせいか?」


手元にある萌音が作った弁当を見て、胃袋でも掴まれたか?と考えた。
萌音に限らず、女性が作った弁当を食べるのは初めてでもないのに。


「血迷ったの?……か」


確かになぁ…と声に出し、萌音が作った弁当を食べ終える。

今日のも美味かった。
本当に萌音が作る弁当は美味い。
慣れた味の様な気がするし、懐かしい気もしてくる。

最初に萌音が「作ろうか?」と言った時は、三日に一回でも十分だと思ってたんだが。

手料理にそんなに飢え過ぎてた訳でもないし、正直萌音の腕前を舐めてた部分もあったから。


(けど、これが食べると病みつきなると言うか……)


三日に一回と言わず、毎日でもいいのにな…と思ってしまってる。
もしも、これが他の女が作った弁当なら同じように感じるものなんだろうか。


(いや…)


それには即答な速さで、いいや…と思う。
きっと萌音が作ったものだから、特別な気持ちが湧くんだ。


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