溺愛本能 オオカミ御曹司の独占欲には抗えない
9、お腹を空かせた彼は
「楓、元気そうで安心したよ。今、成瀬先輩のマンションに住んでるんでしょう?」

親友の美桜の質問に、私は苦笑いしながら頷いた。

遥は、私と美桜の卒業した学校の先輩にあたる。

しかも、有名人だからその顔と名前は彼女もよく知っているのだ。

「うん。お兄ちゃんに頼まれて仕方なく面倒見てくれてる感じ。しかも、監視が厳しいんだ」

私は今、仕事を定時で上がり、親友の美桜とイタリアンのお店でパスタを食べている。

彼女に会うのは、正月休み以来。

遥がいなければ、彼女のアパートに数日泊めてもらうはずだった。

美桜……城田美桜とは小学校から大学までずっと一緒。

背丈は私と同じくらいで、カールしたセミロングの黒髪にパッチリ目。

今日はガーリー系のフワリとしたワンピースを着ている。

彼女は小さい頃から仲が良くて、私の一番の親友だ。
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