その瞳は、嘘をつけない。
9章 dialogue
「ここで何してるの?」

びっくりするくらい、冷たい声が出た。
お化け屋敷でお化けにおどかされた時みたいに心臓がばくばくしていて、つい笑ってしまいそうになるのを必死に抑える。

「お前を待っていたんだよ。」
「待ってたって…合鍵、まだ持ってるんでしょう?」

こんな屋根があるとはいえ、気温はほとんど外と変わらない。
雪まで降ってるこんな日に、一体いつからいたの?

「もちろん持っているが。」
扉から背中を離し、鍵を差し入れてドアを開ける。
私がじゃなくて、秀くんが。

「彼氏面して勝手に上がり込むなと怒られるかと思ってな。」
そういって、ふわっと微笑む。
お前の事なんてお見通しだぞ、みたいな顔して。

そしてきっと、いや間違いなく、そう言っていたと思う。
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