「其の花の、真白に咲く」〜麗しの執事と令嬢の秘恋〜
第3章 侯爵との婚姻

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「私の婚約者を紹介させていただきますーージュリア・バートリー嬢です」

キースに手を取られて、城内の大広間の階段を降りて行く。

ドレスの裾を持ち上げて会釈をすると、来客者たちから拍手が湧き起こった。

大きな拍手の音を聴きながら、もう戻れないんだと感じる。

あの人のところには戻ることはできない……と、目を上げて広間を見渡す。

その視界の隅に、壁にもたれ掛かるようにしてシャンパングラスを煽っている、彼の姿が映ったーー。

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