Perverse second
episode 1


「…いて……」



腕がジンジンと痺れていて上手く動かない。



指先が冷たくなっている感覚で目が覚めた。



そう、これは夢にまで見た愛しい感覚。



本当に夢じゃないよな?



そんな不安がよぎって目を開けると。



…よかった、夢じゃなかった。



もう二度と抱くことは出来ないと思っていた。



やっと、本当にやっと捕まえた。



三崎結菜。



俺の腕の中にスッポリと入って、すやすやと寝息を立てているこの女は。



俺の人生を大きく変えた女。



三崎とあの日、あの時出会わなければ。



俺の人生は今頃どうなっていたんだろうか?



順風満帆にやっていたであろうけれど、きっとこんなに色付いてはいなかった。



なにせ三崎は。



俺が初めて惚れた女なのだから。



まさかまさかの『初恋』と言っても過言ではないと思う。



受け身ではなく初めて自分の心を動かされたのは三崎が初めてで、間違いなく最後だ。



唯一無二の存在を、やっと俺は手に入れた。



もう二度と離すことはない。



可愛い寝顔を見ていると、俺の記憶は6年前にトリップした…。
< 1 / 193 >

この作品をシェア

pagetop