その先へ
慟哭
「円香~。そんなに動かなくていいよ。座ってお茶しようよ」
「うん、でもここだけ...」


奏斗との部屋を出て1週間。私は親友の輝乃の家に泊まらせてもらっていた。出てきた当日だけお世話になろうと思っていたのに、


「こんなお腹だからさ、いろいろ動くのもダルくて。円香が手伝ってくれると助かる~」


なんて輝乃が言ってくれて、輝乃の旦那様も、


「円香ちゃんいてくれるとメシが上手いから助かるよ」


なんて言うもんだから輝乃に怒られたりして、私は笑って過ごさせてもらっていた。


でも、ずっと奏斗の事を考えていた。


好きと言ってくれた奏斗。
別れたくないと言ってくれていた奏斗。


今まで何も言わなかったくせに、急に結婚しないなら別れる!なんて言った私を、とても悲しそうに見ていた。
とても傷つけた、んだと、思う。



でも、私には他にどうすれば良かったのかがわからなかった。
今も、この選択が正しかったのかわからない。
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