極甘同居~クールな御曹司に独占されました~
好きになんてならない
和久井梨乃がやってきた当日こそ気分は落ち込んでいたものの、翌日から私は復活した。


脱・家政婦。
脱・ただの液晶バカ。

彼に相応しい女に見えるよう、心がけなければ。


私だってこれでも普段から肌は大事にしているつもりだったけれど、彼女のきめ細かな肌や白魚のような手、指先に施された美しいネイルを見て、自分との差に愕然とした。

偽装の立場に過ぎないとはいえ、あんなに美しい人と張り合っていたなんて。


いくら仕事で時間がないといっても、根性でなんとかなる。
彼女のようにお金と時間をかけられなくても、できることはある。


さっそく翌日の日曜日にはショッピングに出かけて美容雑誌を買い、新しい服を選んだ。

お化粧ができない環境なのは相変わらずだけど、クリーンルームに入る前にクレンジングシートで落とし、退勤の際にまたメークするという手間をかければ良いのだ。



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