外ではクールな弁護士も家では新妻といちゃいちゃしたい
目線を上に動かすと、濡れ髪でシャツをラフに羽織った奏介が、私の頭側の隅っこに、浅く腰かけていた。
前のボタンは全開で、引き締まった胸元がチラチラしていて、やけに色っぽい。


「ご、ごめんなさい、うとうとしちゃって……」


慌ててしっかりと身体を起こすと、奏介が「いや」と答える。


「疲れたろ。起きないようなら、ベッドに運ぼうかと思っていた」


それには勢いよく首を横に振る。
多分、うたた寝していたのはほんの束の間のこと。
それでも急激に深い眠りについたせいか、頭も身体もどこかすっきりしていた。


「大丈夫。奏介の方が、お疲れでしょう?」


優しい奏介にジーンとしながら、先に旦那様を労って気遣えなかった自分が申し訳ない。
無意識に肩を縮込めた、その途端。


「っ!」

「……これで、ちょっと回復した」


私を覗き込み、掠めるようにして唇を奪った奏介が、口角を上げてニヤリと笑った。
おどけた様子の彼にパチパチと瞬きを繰り返してから、私は照れ隠しに頬を膨らませる。


「滋養強壮剤みたいな言い方……」


私の呟きを聞き拾ったのか、奏介がくっと笑い声を漏らした。
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