外ではクールな弁護士も家では新妻といちゃいちゃしたい
「いいよいいよ、普通に藤悟さんで。あ。じゃあ、七瀬さん。LINEかメールアドレス教えてもらえる? 俺の都合のつく日連絡するから、七瀬さんも来れる日教えてほしい」

「はいっ」


元気に返事をして、スマホを手に連絡先の交換していると、玄関先から「ただいまー」と声が聞こえてきた。


「あっ!」


私は反射的に立ち上がり、声を弾ませながらリビングから飛び出す。


「奏介! お帰りなさい!」


スリッパをパタパタ鳴らし、奏介の前に駆け寄る私に。


「七瀬、この靴……誰か来てるのか?」


彼は怪訝そうに眉をひそめた。


「あ、今ね……」


奏介のカバンを預かり、説明しようとすると、背後から「お帰り、奏介」と藤悟さんの声に遮られた。
リビングのドア口に立つ藤悟さんに気付き、奏介がギョッとしたように息をのむ。


「なっ……兄貴!?」


奏介が、素っ頓狂な声をあげる。
藤悟さんはドア枠にもたれた格好で、胸の前で腕組みをして、ニッと口角を上げた。


「土曜のお礼に来たんだけどね。お茶、ご馳走になった」

「礼って……なんでわざわざ」


藤悟さんの説明にも、奏介はまだ訝しげに眉間に皺を深める。
奏介の様子を見て、藤悟さんはひょいっと肩を竦めた。


「遅い時間になって悪かった。長居は新婚さんの邪魔になるから、そろそろお暇するよ」
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