お見合い相手は俺様専務!?(仮)新婚生活はじめます
「大好き……」と繰り返したら、彼が私に深く口づけて、それと同時に私の中に入ってきた。

ひとつになれる喜びに、甘く呻いて身をよじれば、ぎゅっと強く抱きしめてくれる。

彼の唇が私の頬から耳へと滑り、囁くような声の、嬉しい命令を聞いた。


「莉子を愛してる。お前はもう俺のものだ。帰りたいと言っても帰さないから、覚悟しろよ」


彼は間違いなくツンデレだと思うけど、私も大概、似たようなものかもしれない。

打ち寄せる快感に喘ぎつつ、『そっちこそ覚悟しなさいよ』と心の中で反論する。


私の今後の人生も含めて、彰人ほど好きになれる男性は、他に現れないと確信している。

だから、可愛げのない私が嫌になって離れたいと言われても、絶対に離れてあげないんだからね……。


【完】
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