イジワル上司にまるごと愛されてます
第六章 正直なキス
 仕事を終えて創作和食の店に着いた来海が、掘りごたつのある個室に案内されたのは、午後七時ちょうどだった。

「お疲れさまでーす」

 店員が空けてくれた戸襖の向こうには、すでに水沼部長、柊哉、敦子の姿があった。

「上司を待たせるなんていい度胸ね」

 敦子にチクリと言われて、来海は小さく頭を下げる。

「すみません」
「取引先からの電話を受けてたよね。うまくまとまった?」

 部長の隣に座っていた柊哉が来海に声をかけた。柊哉がオフィスを出るとき、来海宛てにちょうど電話がかかってきたのを、彼は気づいていたらしい。

「はい。お互い、英語が完璧じゃないんで、意思疎通に誤解があったようです。でも、解決しました」
「それならよかった。お疲れさま」
「ありがとうございます」

 柊哉のフォローに感謝して、来海は空いている席に腰を下ろした。敦子の隣で、部長と向かい合う場所だ。
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