男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
第二章　伯爵の子息と村娘
ミシェルの待ちに待った休日がやって来た。

昨晩、寝る前からウキウキしていたミシェルだ。

楽しみ過ぎて眠れないかもと思ったほどだったが、身体は疲れており、いつものようにぐっすり眠り、爽やかな気分で目が覚めた。
　
テーブルにカップを倒してしまった日からミスはしていない。少しだけ慣れてきたようだと思っている。
　
朝食をアベルと食べてから出かけることにしている。


「さてと、朝食の前に用意しておこう」
　

今は男装をしているが、町では女の子の姿で楽しみたい。押さえつけている胸の膨らみを解放させたい。


（きっとすっきり気分がよくなるはず）
　

ミシェルは家から持ってきた茶色のかつらと、女の子の服を手作りの袋に入れて上から見えないように大判のスカーフで隠す。
　
ミシェルが町へ行くのはかれこれ三ヵ月ぶりだ。

母と同年代の「マーサーズ」のおかみさんとミシェルは仲がいい。
　
おかみのマーサから名前をとった「マーサーズ」とは、食事と宿を町中で営んでいる。ミシェルはそこで着替えさせてもらい、服を預かってもらおうと思っている。


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