ヴァンパイアの花嫁
レオンが父親に視線を移すと、タイラーの身体に自由が戻った。


「ガナンシア様はご病気でいらっしゃいます」


身体が自由になったタイラーが言う。


「病気?」


「はい。命は日一日と失われつつあります」


タイラーが目を合せず、うやうやしく頭を下げる。


「そのことと、ティナを殺そうとしたこととは関係ない」


「わたくしはレオン様のお望みどおりにさせていただく所存でございます」


タイラーはレオンが死ねといえば死ぬ覚悟だった。





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