ヴァンパイアの花嫁
車イスを動かしレオンに向き直る。


「少し……」


レオンは自分が着ていたジャケットを脱ぐと、ティナの肩に羽織らせた。


「暖かくなってきたといってもまだ冬だからね。南国育ちの君にはまだ寒すぎるのかもしれない」


ティナの顔を覗き込むようにしているレオン。


「エミリオは帰ってしまったんだね?」


「はい。御用があったみたいです」


「そう」


レオンはティナに微笑んだ。


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