ヴァンパイアの花嫁

「あたし……」


何も考えられない。


もうすぐあたしは死ぬの……？


身体を刺すような痛み、胸の痛みは多くなってきている。


「提案があるのだけど」


カサンドラがティナの淡いブロンドの髪を一房掴み自分の口元に持っていく。


「提案？」


「貴方の愛するレオン様を悲しませないで死ぬ方法を教えてあげるわ」


髪に触れていた手は移動してそっとティナの唇に触れる。


「レオン様が苦しむ貴方を見て悲しむのは嫌でしょう？」


「……はい」


ヴァンパイアと目を合わせてはいけないことをティナはすっかり忘れていた。


ティナはカサンドラのエメラルドグリーンの瞳をうっとりと魅入っていた。