ヴァンパイアの花嫁
ティナはレオンの血を飲もうとしない。


「レオン、もうだめだ。カサンドラにかなりの血を吸われている 飲む力がないんだ。このまま安らかに逝かせてあげよう」


エミリオがレオンを止める。


レオンの首から血が溢れ出ている。


このままだとレオンが倒れる。


「だめだ!ティナを逝かせない!」


レオンはティナをベッドに横たえると今度は自分の手首を傷つけた。


そしてティナの口を開かせ手首から出る血をティナの口に落とす。


「レオン……」


エミリオはつらかった。


レオンのこんなに必死な姿は見たことがない。


ティナの口からレオンの血が流れ落ちる。


「お願いだ、飲んでくれ」


レオンはティナの喉を開かせた。


コクッ……。


レオンの血をティナは飲んだ。


「ティナっ!」


飲んだかと思った瞬間、ティナが咳きこみ、レオンの血は吐き出されてしまった。





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