シェヘラザード、静かにお休み

簡易携帯をコツコツと突いて、肩を竦めてみる。

「あら、これから一緒に動く相棒のことが信用できないのかしら?」

「相棒、か」

「間違えたわ、私は貴方の犬だった」

きゅっと青い瞳が細められる。ルイスはがくりと肩を落とす。

「やめてくれ、相棒」

「イエス」

じゃあ早速あっちから、とシーラが歩き出す。

言ってる傍から。
しかし、何も言わずにシーラの背中を追った。

「ところでルイス」

くるりと振り向いたシーラが可愛い顔をしてみせる。その顔に警戒心を持って聞き返した。

「何だ」

「これ、どうやって使うの?」


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