シェヘラザード、静かにお休み
ルイスの言葉に、王女は少しだけ顔を緩めた。それがシーラには分かった。
「イーサンを離して。話し合いはそれからです」
拘束をとき、イーサンと呼ばれた男は王女の前に盾となり立った。
シーラはそれを見上げて、目を数度瞬いた。
「アメリア様、話し合いをする必要はありません」
「いいえ。わたしは彼の話に興味があるわ」
イーサンの言葉を却下して、アメリア王女はシーラの顔、ルイスの顔を見る。
「貴方たちは、何者なの?」
「――というわけで、ここまで来ました」
事情を詳しく話すと、アメリアは頷いた。後ろに立つイーサンは不満げな表情だ。