シェヘラザード、静かにお休み

しかし、シーラに普通は通らない。自分の道理で生きている人間だから、か。

牢屋の前に来ると、シーラはベッドの上に横になっていた。

「シーラ」

ルイスの呼びかけに微動だにしない。

「おい」

檻に近づき、ルイスはふとその手足の細さを見た。最初に見たときは、普通の体格だった。

毎日あんな最低限の食事を取っていれば確かにこうなるに決まっている。

しかし、伸びたブラウンの髪の毛は傷むことを知らない。

「返答しろ」

肩が呼吸をするごとに少し動いている。死んだわけではない。

「はい」

澄んだ声が聞こえた。

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