ホテル御曹司が甘くてイジワルです

プラネタリウムにふたりきり

 



経営を続けるためには利用者を増やさなきゃならない。
じゃあ、利用者を増やすためにはどうしたらいいだろう。

観光案内所にパンフレットを置いてもらったり、地元の人たち対象の天体教室を開いたり、SNSで宣伝するのもいいかも。
なんて、館長とふたりアイデアを出し合い相談する。

「SNSはいいかもしれないね。夏目さんが美人星座解説員ってアカウントを作ってくれたら、お客さんが増えるかもしれない」

のんびり言う長谷館長に私は眉をひそめる。

「美人星座解説員って。からかうのはやめてください」
「おや、夏目さんは美人よりも可愛いって言われるほうがいいかい?」
「そうじゃなくて……」

私が頬を膨らませてもどこ吹く風の朗らかな館長に脱力してしまう。
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