溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
10年越しの両想い
【佐々木君にどうしても伝えたいことがあるの。病院前にある公園で待っています】

向かう途中で彼の送ったメッセ―ジにまだ既読はついていない。きっと忙しいんだよね。

佐々木総合病院前にある大きな公園。前に一度、佐々木君と訪れたことがあったけれど、ひとりで来るとちょっぴり怖いかも。

街灯は灯っていて明るいけれど、誰もいない静かな公園は不気味さを感じる。

でも病院前は車通りが激しいし、危なくはないよね。

そう自分に言い聞かせ、街灯の下にあるベンチに腰掛けた。そしてもう一度スマホを確認してみるものの、既読がついていない。

先生に会って勢い余ってきちゃったけれど佐々木君、急患が入ったって言っていたよね。

もしかして朝まで仕事……ってことはないかな。

無鉄砲な行動に少しだけ後悔する。――でもやっぱり早く伝えたい。

時刻は二十一時になろうとしていた。日付が変わる頃まで返信がなかったら、諦めて帰ろう。

そう決めて待つこと十分。

「佐野っ!?」
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