3章 仕事の鬼にかき乱される


宇都宮部長は、社内でも有能な一匹オオカミ的な存在だった。

企画から営業、事業展開まで1人で行い、毎日忙しくてほとんど席にいない状態。

部長が企画した新規事業が役員会議で承認され、本格的に準備段階を迎えるまでに至っていた。

その事業は、ニューヨークに日本食や日本の優良な野菜や食材を取りそろえたジャパニーズフードショップの経営展開。

世界中で日本食がブームになっている今、より質のいい日本食を一気に広めるのが目的らしい。

そんな世界を股にかけた部長に圧倒されながら、私もブレンドティ開発に勤しんでいる。

でも、なかなか思うように、自分だけの納得いくようなブレンドティはできず悩んでいた。

そんなある日、部長から電話が入った。

「堂島か。今空港だ。これからニューヨークに発つ」

「はい、確か今日の16時の便ですね」

「ああ。来週の頭には戻るつもりだが、何か緊急の連絡が入ったら俺のメールに入れといてくれ」

「はい、わかりました」

「あと、ブレンドティの方はうまくいってるか?」

あー、一番聞いてほしくないこと。

「はい、いえ、まぁ、それが・・・」

思わず言葉に詰まる。

「なんだ、もう行き詰まってるのか」

電話の向こうで部長が苦笑している様子が目に浮かぶ。

「じゃ、仕方ないな。俺のデスクの右下の引き出し開けてくれ」

何々?

受話器を持ったまま、デスクの前に移動した。

言われた場所の引き出しを開けると、茶色い包みが三つ入っていた。

「あの、茶色い包みが三つほどありますが」

「それお前にやる。俺の取引先の紅茶葉なんだが一度飲んでみたらいい。何かいい案が浮かぶかもしれない」

紅茶葉?

こんなパッケージの紅茶見たことない。

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