6章 これはデート?


部長は相変わらず出張が多く、私は継続中のブレンドティ開発と部長の出張先のアポイントや旅費精算、メールチェックをしながら慌ただしい日々を送っていた。

あの夜以来、妙に意識してしまうから部長が出張で部屋にいないのは逆にホッとする。

こんな気持ちのまま日曜日二人で出かけられるのかしら?

部長の言動が理解できないモヤモヤした気持ちを引きずったまま時間だけが過ぎていき、約束の日曜日の朝がいよいよやってきた。

部長は一体私をどこへ連れて行こうというんだろう。

何を着ていけばいいか、朝から迷いに迷っていた。

とりあえず、無難なグレーのワンピースと自分が持ってる中で一番高かかった革のバッグを肩からかける。

地味かな。

鏡に映る自分を見つめながら思う。

もう一枚持っていたベージュのワンピースを着てみる。

こっちの方が少し顔映りが明るくなるような気がした。

そんなこと、部長にはどうだっていいことかもしれないのに。

妙に部長の視線を意識してしまう自分が滑稽だった。

時計を見るともうすぐ10時になろうとしていた。

私は慌てて肩までの髪をとかし、いつものように後ろにひっつめた。

黒のパンプスを履き外に出る。

マンションの下には、既に部長の黒のセダンが停まっていた。

まじまじと見たことなかったけれど、亮が言ってた世界に数台しかない高級車。

言われてみたら、見たことがないくらい美しいフォルムでキラキラと輝いている。

「おはようございます」

運転席側で頭を下げながら挨拶をした。






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