半身。然るに片羽。
一葉:12歳
*・゜゚・*:.。..。.:*
桜惜の候。
真新しい制服の袖を撫で付けクラス発表の紙を見上げる。
確認したら下駄箱に入る。
教室に向かう途中、声が、俺を呼び止めた。
『・・・ェ』
校門をくぐった時から嫌な予感はしていたんだ。
『・・・ィテ』
昔この場所には…
校舎の後ろに広がる雑木林と山、そこ山には防空壕があるらしいから。
さっきから耳元がうるさい。
『・・・ォド・シテ』
集中して聴く。
『・・・モド・シ・テ・』
戻して?
何を戻すんだ?
じーっと考えてた俺はある種の視線を感じて振り向いた。